
群馬県桐生市/勢多郡東村(標高960m)

今日のねぐらを求めて桐生ダムに着く頃、突然のスコールに見舞われた。
しかし、すぐに雨も上がりダムサイト脇に静かな空間を見つける。
椅子、テーブルを用意し炭に火を付ける。ランタンの明かりの元で夕食を楽しむ。
翌朝は8時に走り出す。今日は座間峠を越え、三境林道経由で周回してくる予定だ。
早朝の中、鍋足に向けてヒルクライム。天気は曇りだが気温、湿度ともかなり高い。
すぐに額に汗が浮いてくる。
内容的にはMTBのほうが適していると思うが、こうした峠にはランドナーの方が良く似合う。

暑い。本当に暑い。ボトルの水が減っていく。
ただ、このコース水場は豊富だから安心だ。鍋足からきつくなり、林道のゲートを越える。
峠への入り口はそこからじきに現れる。
丸太橋を渡って山道に入る。
ルートははっきりしており不安はない。訪れる人が多いのか、きれいな小道が北へ向かって続く。
沢を渡る個所が何度も現れるが、水量と苔が多く意外と神経を使う。
きれいで、静かな所だ。そして沢の奏でる音がいい。
沢で汗をぬぐえば、その冷たさに生き返る。

フロントの重いランドナーでは押し上げるのに苦労するが、この暑さの中リュックがないのが助かる。
ビールもぬるくなり始めたことだし、軽量化のために少々開けた所でつまみだす。
明るい緑の中に、ネイチャーストーブの白い煙が立ち込める。
静かなひとときだ。そして素晴らしい空間だ。
標高は高くないが山深さを味わえる。そして峠越えの満足感を味わえる。
汗もひき、1時間ほどで切り上げる。
そこから峠まではわずかだった。

峠はかなり明るく、そして開けている。
かなり人の手が入っている様子で、伐採も行われている。
それまでの雰囲気が良かっただけに少々残念な気がする。
下りはMTBのフルコースだ。きれいなシングルトラックが走っている。
ランドナーでも何とかなるがやはりポジション的に辛い。
所々降りざるをえないが、それでも山道下りを楽しめる。
タイトなコーナーが連続で現われ、テクニックがあればかなり乗車率は高い。
無理は禁物だが、基本的な事を守ればかなり楽しめる下りだ。
下るにつれ草木湖が大きく姿を現す。

下りの緊張感を和らげてくれる一瞬だ。
その後は深いヤブ、石ころだらけの道と荒れてくる。
そして最後は安定したダートへと変化し、峠越えを終える。
舗装路の熱風の中、草木湖に沿って走る。
三境林道の分岐へ入る。いきなり急坂が待ち受ける。
座間峠でかなり体力を消耗している上に、この猛暑の中の登りは過酷であった。
しばらくは、日陰を探しながらの歩きとなった。
その後は勾配も緩くなってくる。

途中、野生の猿の集団が行く手を阻む。
車の人はいいが、こちらは無防備だから刺激しないように通り過ぎる。
緊張の一瞬だった。
トンネルを越えると、最高のダウンヒルが待っている。車のデポ地までかなり楽しめる。
その勾配、コーナー、路面、道幅、どれをとっても高い得点を与えられる下りだ。
これほど下りに没頭できる所もそう多くない。見事な林道だ。
ここだけはブレーキのよく効く細身のタイヤで走るべきだ。
車に戻ると8時間以上が過ぎていた。内容の濃い魅力たっぷりのコースだった。
所要時間:8時間19分 走行距離:44.1km 最高速度:53km