
十二峠:新潟県南魚沼郡塩沢町/中魚沼郡中里村(標高723m)
大沢峠:新潟県南魚沼郡塩沢町/十日町市との境(標高720m)
栃窪峠:新潟県南魚沼郡塩沢町/十日町市との境(標高670m)

ゴールデンウィークの大混雑の中、なんとか上越までやってきた。
本当は、頚城地方まで入る予定だったが、すっかり遅くなってしまい、初日の今日は魚沼スカイラインを周回することに変更した。
時刻はすでにお昼。急いで準備をして十二峠を目指す。
周囲の山はいまだ真っ白で、さすがに豪雪地帯を感じさせる。その昔、越後湯沢から同じようにこのコースを走った事があり、驚くことに今でもしっかりと記憶に残っている。
いつも思うことだが、自転車の旅というのは、記憶が本当に深く心に刻みこまれる。似たような道、カーブ、風景はいくらでもあるが、再び同じ場所を訪れたとき、しっかりと思い出すことができる。

車や、バイクと決定的に違う点が、こういうところにあるのではないかと思っている。
十二峠のトンネルまでは、車の多い中、そんな昔の記憶をたどりながらのヒルクライムとなった。
長いトンネルを怖い思いをして抜けると、すぐに魚沼スカイラインへの分岐がある。
ただし、分岐には「全面通行止め」の標識とバリケードが置いてある。
バイクが2台降りてきて、なにやら怪しげな雰囲気。
一度走っているので、まあ問題はないだろうと、貸しきり状態の舗装路を登っていく。
あたりは残雪の棚田が美しく、ようやく長い冬が終わったばかりだという雰囲気が感じ取れる。

いい天気の中、汗をかきながらヘアピンカーブを曲がった瞬間、目に飛び込んできた光景に、あまりに驚いて立ち止まってしまった。
御覧のように、突如として道路のど真ん中に巨大な雪のバリケードが登場したのである。
道路脇にはチラホラ雪が残っていたが、全く気にするほどではなかったので、この光景には仰天してしまった。
「なんだ、こりゃ!」「どうなってるわけ?」
いきなりここから、数メートルの残雪が続くとは考えられず、それにこの標高、この天気ではあまりに不自然な光景であった。
バイクが戻ってきたのは、ははん、これだったか、と納得。まあ、何はともあれ、この壁をよじ登ってみることに。

すると、壁の向こうには、これまたびっくり、巨大な除雪車が道路をわざと塞ぐように斜めに止められており、その先には雪はなくなっていた。
ということは、理由があってあえてここにバリケードを設け、車の進入を規制しているということだ。雪解けの山菜を狙って、多くの車が入ってくるのを防いでいるのであろう。
確かにうまい作戦ではあるが、こうまでしなければならない光景に、ちょっと考えさせられてしまう。
おかげで、すっかり自転車天国の世界が出来上がってしまった。ちょうどMTBポタリングのおじさんもこの場に出くわして、二人で協力してこの壁を突破した始末。

登るにつれ、視界が大きく開けてくる。
東の方角に越後山脈がよく見える。眼下に塩沢、六日町の町、魚野川、関越自動車道の様子が確認できる。
じりじりと登っていくと、ピーク直前で再度同じようなバリケードが待っている。
まあ、念には念を入れており、これではオフロードバイクも無理で、自転車とハイカー以外はここを通過することができないだろう。
おかげでこちらもいい汗をかかしてもらったが、苦労した後は、魚沼展望台から、眺め抜群の大パノラマを楽しむことができる。

なんてたって貸切状態。
冷たいビールにこの特上の眺め。いやあ、この時期穴場かもしれません、この魚沼スカイライン!
すっかりいい時間になってしまったが、後はほとんど下りなので気が楽だ。
風が出てきて、多少のアップダウンに悩まされるが、栃窪峠までは快適に尾根上のスカイラインを楽しめる。
大沢峠はどこだろうと、あれこれ散策したのだが、はっきりとした標は見当たらなかった。
栃窪峠まで出ると、ようやく車に出会う。ああ、皆さんはあの眺めを見れないんだ・・かわいそうに・・・
栃窪峠からは500mを一気に下り、脇道を辿って車に戻った。

