福島県耶麻郡北塩原村     磐梯朝日国立公園の秋元湖の北岸を辿る林道。昭和20年起工


早朝の秋元湖畔


深夜に磐梯熱海から秋元湖岸に移動してきた。周囲は真っ暗で地形がほとんどわからない中、ねぐら探しに苦労する。

秋元湖入り口に広場をみつけ、明日の快晴を願いながら車中泊の準備にとりかかる。

明けてみれば今日もいい天気。風も無く、暖かい日差しが車内に注ぎ込む。

車の外へ出てみると、あたり一面見事な景色が広がり、素晴らしい秋晴れの朝を迎える。

磐梯山を眺める


早朝、誰もいない湖畔をランドナーで散策する。湖面に輝く太陽、大きく聳え立つ磐梯山の眺め。ここは楽園か、と思わせるほど美しい光景だ。 

暖かな日差し、透き通った青空、そして見事に色づいた木々。静かで、穏やかな秋元湖畔をのんびり、ゆっくりと進む。

小野川発電所を過ぎると、林道は細く狭く、蛇行を繰り返す。勾配はほとんどなく、右手には木々の間から秋元湖の湖面がキラキラと光る。

車1台がやっとという林道は、まさしく自転車のための林道だ。

キャンプ場からの眺め


時折追い越す車を見ては、「もったいない、ここは自転車で走らなきゃ」と哀れに思ってしまうほど、極上のポタリングコースだ。

ツーリング初心者の女性なら、ここだけでイチコロだな、きっと。 

すぐにキャンプ場が現れる。かなりくたびれたキャンプ場で、誰もキャンプしている人はいない。

トイレもボロボロではあるが、それを承知の上ならここをベースキャンプにするのもいいかもしれない。

ここからは秋元湖をバックに磐梯山の姿が美しく、こんな素晴らしい天気なら、ここで宴会したくなるほど開放的なところだ。
 

味のある林道標識


林道はしばらく、見事な色彩のなか、湖岸に沿って右へ左へと繰り返す。

十分に写真を撮りためると、少し開けた直線的なダートへと変わる。

行き交う車は、この先の中津川渓谷が目当てで、そこの紅葉を見に行く観光客だ。中には、タクシーを飛ばしてここまで来る人もいる。

紅葉の名所としては有名なところで、ちょうど見ごろの今からが最も賑わうことになる。

 

美しい色彩にランドナーも映える


林道の分岐地点から先は車は入れず、徒歩でしか中津川渓谷へは行けない。 

次第に駐車に困るほど車があふれ出し、林道を歩く人の数も半端な数ではなくなってきた。

大きな三脚に大型カメラ、右を向いたり上を向いたりとカメラ愛好家の方々は忙しい。

岩筋を流れる清水にむらがってレンズを向けたり、葉っぱ一枚を接写したり、バランスのいい枝木を探したりと、所かまわず場所取り合戦だ。


 

湖畔のポタリング、素敵です


同じ写真を趣味とする自分にとっては、まあわからない感覚ではないが、こうも同じ集団が集まってはこの素晴らしい渓谷美も台無しだ。 

どこにカメラを向けても人だらけ。これでは気分よくシャッターを押せたものではない。 

見上げると磐梯吾妻レークラインの中津川橋からもたくさんの観光客がこちらを眺めている。
右も左も、前も後ろも、そして上からも人、人、人。

ああ、もうたくさんだあ。

 

本当は人だらけ。一瞬のスキをついて撮影


巣掘りのトンネルを抜けるあたりが混雑のピークで、そこから先は、徒歩の人は戻るしかルートがないため、ようやく静寂の世界が訪れる。 

自転車の機動性はこういうところで発揮される。吾妻山登山口を右に分岐し、静かになった林道を気持ちよく進む。

今度はどこを向いても視界に入ってくるものは紅葉のみだ。邪悪なカメラマンはどこにもいない。

気に入った構図、気に入ったアングルでシャッターが押せる。ローアングル、セルフタイマー、 何でもできる。ようやく満たされてきた。

 

巣掘りのトンネル。これでもずいぶん待ちました


もう誰にも会わないだろうと思っていたが、なんと、どこをどう入り込んできたのか、家族連れのワンボックスがやってきた。

こちらを見つけるや、「この先どうなってますか?行けますか?」と聞いてくる。

まあ、こういう人はよくいるもので、こんな山の中に入るのに、詳しい地図も準備もなしにやってくる。せっかくの雰囲気を壊されたのと、気楽な態度に少々憤りを感じてしまう。 

林道は道幅もあり、走りやすく、そして紅葉を楽しめる見事な林道だ。

 

ようやく静寂の林道へ


途中、橋の下へ降り、川原でおでんタイムとする。鍋でぐつぐつと煮ながら落ち葉に埋もれながら秋景色を満喫する。

金堀への下りはかなりハイスピードのダウンヒルだ。MTBの太目のタイヤなら相当楽しむことができる。路面も安定していて、道幅も十分だ。対向車はまず来ないがオフロードバイクに注意したほうがいい。

磐梯吾妻レークラインをちんたらと登り返す。道は紅葉狩りの車で大渋滞だ。その横をスイスイと中津川橋を渡る。さっき下から見上げた橋から今度は見下ろすことになる。相変わらずどこもかしこも人、人、人だらけ。

結論:この時期、やっぱり自転車が最高ですね。

 


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